意地っ張りな子供のような大人の対応

前回、ソロキャンに行った俺は
「どんだけ寂しがり屋やねん！がははは！」
と嫁に笑われ
「あほか！寂しくないわ！また行くしな！」
と意地っ張りな子供のような返しで大人の対応をしたので、今回もソロキャンに行くことになった。
本意だ。俺の意思だ。
全くもって、望むままだ。

というわけで、今回も湖岸緑地に。

が、『作文風』という馬鹿な手法をとらないと盛り上がりに欠ける俺のソロ。
『作文風』にしたことにより、盛り上がったかどうかは別として、せめてキャンプ地だけでも変化させてみようと前回の『志那1』の少し北『志那2』に行くことに。

1から2にした。俺、成長してる。

木曜にチマチマとキャンプの用意をしている俺を見て、息子が
「なぁ、またキャンプ行くん？」
と聞いてきた。
「せや。ソロキャンやから1人で行くねん。犬に首噛まれても1人やからな。命がけの男のキャンプや」
と答えると
「うっし！俺も行く！男やしな。テント、アレやろ？パップやろ？俺もパップで寝る！」
と、人生初の『パップ』を口にしながら意味のわからないガッツポーズで参加表明してきた。

そんなこんなで、急遽、親子キャンプになったため、息子の荷物も準備し、食材も買い足し、息子のスイミング終わりを待ち、家を出発した。

気持ちは分かるが、よろしくない

湖岸緑地までは1時間と少し。

息子は助手席で
『ハンパならケイオぉー♪ふぅわ！ふぅわ！したいなら、どぉーぞー♪』
とAdoを歌っている。

まぁ、機嫌が良くてよかった。

それもそのはず。聞けば
「おれな、1時間ぐらい車に乗るって言うてたから、Amazonの音楽聞くやつで1時間のプレイリスト作ってん。パパの好きなやつも入れてるからな。これ、終わる時には着いてるからな」
と凄く得意げに言っていた。

が、大阪を出て、高速に乗り、滋賀に入る長いトンネルで音楽はプツリと切れた。

ポケットWiFiが切れたのだ。

頑張ってプレイリストは作ったが、ダウンロードまではしてなかったようだ。

息子、機嫌が急降下。
目に見えて機嫌が悪くなっている。
一変してふてぶてしい。

かなりの時間が経過したにもかかわらず、未だ機嫌が悪い。
俺はたまらず
「お前な、それはよろしくないぞ。気持ちは分からんでもないが、それはよろしくない。そーゆーときは、自分で気持ちの切り替えをやな、、、マサ？おい、マサ？？」

息子、就寝。
まぁ、そやな。寝とけ。
起きたら忘れてるやろ。

あまり車が揺れないように気を使いながら湖岸緑地『志那2』に到着。
時間は夜の19時半。

通り過ぎながら志那1の駐車場を見たが、多くの車が停まっていた。
『志那2も同様なら、も少し北上するか』
と思っていたが、運良くまだ3台分の駐車スペースが空いていた。
そのうちのひとつに車を停め、予定通りここでキャンプをすることに。

車から降り、下見。

志那1に比べて、こちらは琵琶湖が近い。
琵琶湖沿いに遊歩道のようなレンガ畳の道があり、その道と琵琶湖の間が芝生のキャンプエリアになっている。
エリア自体は志那1より狭いが、ゆれる水面も見える近さのこちらの方が俺は好き。

空いている場所を確認し、車に荷物を取りに行く。
ついでに息子も起こす。
機嫌が悪いまま寝たことを心配したが、なんとか目を覚ましてくれた。

キャリーに荷物を乗せ、あらかた決めておいた場所に荷物をおろす。

息子も頑張って荷物を運んでくれた。

が、まだ少し引っ張ってるな、これ。

胃袋の差

テントを設営する時に
「お前もテント建てる練習しな。教えたるから一緒にしよ」
と声をかけたが
「あー、俺は大丈夫。どっちかっていうと、見て覚える派やから」
と拒否された。

そのかわり、しっかり見て覚えれるようにライトでずっと手元を照らしてくれていた。

今回は失敗しても2人なので恥ずかしくない。
ライトでバンバン照らしてくれて、改めて明かりのありがたみがわかった。

テントを張り終えて、各々、自分が寝るコットを作り、テーブルと焚き火台を分担してセットし、拠点完成。

食材は
・ハンバーグ
・ステーキ
・食パン
・鶏のせせり
・ウインナー
・息子の嫌いな椎茸
がメインで、ホットサンド用の玉子にハムやチーズ、お米が2合。

息子に
「どれをいつ食べる？」
と聞くと、少し間が空いてから
「今日の夜ご飯はパンやな。明日の朝にハンバーグや」
と想像の斜め上をいったので
「いやいや、今からパン！？朝からハンバーグしんどいわ！」
というと、ニヤっとしながら
「大丈夫。これがあるからサッパリや」
と、おもむろにジャンパーのポケットからリンゴを取り出して見せた。

どんなポケットやねん、それ！
まぁ、家の冷蔵庫からポケットに忍ばせてきたんやろなぁ。てか、普通にもってこい。

話を戻して、初老な俺にはリンゴだけで朝のハンバーグに勝てる気がしなかったので、とりあえず鶏のせせりとステーキ半分を焼くことにした。

焼きながら、俺
・朝はホットサンドとリンゴ。
・昼にステーキ&ハンバーグを作りご飯を食べる
と提案した。

息子は
「普通やな。男のキャンプって感じはないけど、まぁ、いいんちゃう？」
と快諾してくれた。

こいつ、、、。

夕食後、焚き火を眺めながら
『なぜ宿題が嫌いなのか』
『なぜ朝起きると機嫌が悪いのか』
『なぜシャンプーを少し頭に塗っただけで「頭洗った！」と言うのか』
について熱く語ってくれた。

その言い訳ともとれる内容に関して俺は
「そうか、そうか」
と説教もせず聞いていたが
『なぜパパはママを怒らせるのか』
の議題で、
「だいたいな、パパはさ、キャンプのやつ買いすぎやねん。だから怒られるねん」
と、買って怒られた焚き火台で暖を取ってる人に説教された。

不公平だと思った。
こいつ、時々ずるいやつ。
しかも半目だ。
眠たいのに説教だけはしっかりしてくる。

「もういいら寝ろ！俺も寝る！」
と強制終了させ、2人でパップテントで寝た。

荷物を外に置いておきたくないので、テント内に突っ込み、まあまあ狭くなったがコットを並べて寝ることができた。

車道が少し近いので、車やバイクの音がよく聞こえるが、それでもすぐに寝れた。

朝8:00に起床。
息子もすぐに起きた。

宣言した通りホットサンドを作る。
今回は『パン工房 コーン&マヨ』も挟んでみる。

息子は
「思ってたより、まあまあやな」
と、思ってたよりどっちなのかよく分からないコメントを残し完食。

食後に、息子がジャンパーのポケットをパンパンにしてまで持ってきたリンゴを剥いてくれた。

少し前の『男3人キャンプ』の時のウインナー同様、また食材を落とすというミスをしたが、今回はバッチリ目の前で落としたので
「これ、パパ食べてな。おれ、そーゆーのムリな人やから」
と断りを得て差し出してきた。

食えないことはないが、ムリじゃない人はいないぞ。

写真付きで手順説明

朝食を食べ終わり10分もしないうちに、息子、ヒマなことに気づく。

気づいた息子、なんの遠慮もなく
「なんやこれ。ヒマや」
と言い出す。

ひとり、公園の探索に出かける。

帰ってきて
「俺はしてないけど、トイレに紙なかったから注意やで」
と報告をくれる。

今度は反対側の探索に。

帰ってきて
「ここ、なーんもないわ」
と報告をくれる。

俺、少し可愛そうになり
「することないなら、昼飯の時に使う薪を割っといてくれや」
と発注した。
息子は喜んで薪を割り始める。

薪を割りながら、こちらを見もせず
「おれな、薪割は好きやねん。前にさ、勝手にやって指切ったやろ。だいたいの子供はそこで終わりや。でも、おれは、あれで薪割がすきになってん」
と語ってる姿がかっこよかった。
「職人みたいやな。やるな、おまえ」
と褒め言葉を投げると、今度はペグで色々と作り出した。

薪置きペグ。調理器具置きペグ。火吹き棒置きペグ。ゴミ袋ペグ。メスティン置きペグ。革手袋スタンドペグ。小枝折りペグ。

なかでもお気に入りは『小枝折りペグ』らしく、使い方の動画も撮らされた。

まぁ、暇が潰れてよかった。

それぞれの担当

昼飯はハンバーグとステーキ。

ご飯も炊こうとメスティンに米と水を入れて準備OK。

ハンバーグ担当の息子が、
鉄板のおっきい方でハンバーグを焼く。

ステーキ担当の俺が、
鉄板のちっこい方でステーキを焼く。

100均の固形燃料がご飯を炊く。

肉が柔らかいと食レポしながら2人で完食。

たかが数年で逆転かよ。。。

『さ、そろそろ帰ろかな』と思っているのを感じ取ったのか
「なぁ、帰りはあれやろ？温泉やろ？」
と言ってきたので、ペグで色々作ってくれたお礼も込めて連れていく、と伝えた。

それが良かったのか、撤収作業もガンガン手伝ってくれた。
思ったより早く片付いたので、スマホで近くのお風呂を探し、湖岸緑地にお礼を言い、琵琶湖を後にした。

車で15分。温泉に到着。

最初の頃は2人でお風呂に行っても、俺の後ろをチョコチョコついてきてただけやったのに、
「おれ、先に入るわな。ちゃんと掛け湯してからおいでや」
とか
「パパ、もうあがるん？おれ、もう少し露天風呂つかってくるわ」
とか言うようになった。

子供って凄い。
親が想定してる成長度合いの五、六歩先を行ってる。

とか考えながら、息子の後ろを
「なぁ、どれ入るん？どこ行くん？」
と言いながらついて行く。

あ、逆転してる。。。

なんか背中が大きく見えた。

まとめ

なんか、前のソロキャンで『俺、成長した』とか書いてたことが恥ずかしくなるぐらい、息子は成長しまくってる。

寝癖が凄かろうが、成長してる。
シャンプー適当でも、成長してる。

それに比べたら、俺、成長してない。

その証拠に、このキャンプの翌日、つまりは月曜日にユニフレームのファイアグリルが届き、嫁にまあまあ怒られることになる。

が、この時の俺は、そんなことになるとは知る由もなく、息子と温泉に浸かり、風呂上がりに
「フルーツ牛乳て！おまえ、まだまだやな！俺なんてコーヒー牛乳やぞ！」
とか言うてた。

俺、少し反省した。
ごめんなさい。

息子の説教がありがたく思えた。