以前、地元の薪屋のおっちゃんと仲良くなり、よく購入してた
半分趣味で販売していると言っていた薪は質が良く、値段もリーズナブルだった

おっちゃんの売っていた薪は全て、地元の山で間伐した物を引き上げてきて、それらを割った物
ほとんど商売ではなかったので、ちょっとした小遣い稼ぎでやっていた
とは言え、しっかり乾燥していて、はぜる事無くよく燃える最高の薪だった

いつからかキャンプブームが始まり、それまでほとんど個人客など来ない薪屋にも、多くの客が来るようになった
近隣のキャンプ場からも大口の注文が入るようになり、いつも積まれてい薪棚がある日空になっていた
客が増えれば商売っ気も出てきて、販売価格もどんどん上がっていった
それと比例して、薪の質もどんどん落ちて行った

客がいるのに売る薪が無い
それを避ける為なのか、今までは2年は乾燥させていた木材も、1年で薪に
火着きも悪いしパチパチとはぜる薪となり、次第に購入することも減っていった

恐らく現在売ってる薪は、乾燥1年未満、値段は昔の2~3倍
ホームセンターの薪とたいして変わらぬ値段で、むしろ質では負けているかも知れない
趣味と商売の境界線は難しいとつくづく思った

薪屋に行かなくなり、これからの薪の確保をどうするか考えた
幸い地元から車で20分も走ればすぐに山がある事だし、いっその事自分で薪を作ってしまおうと考えた
調べると近くの幾つかの自治体では流木を無料配布していて、すぐに貰いに行った
山積みの流木の丸太を10本程、本当に無料で頂けた
種類で言うと杉やヒノキの針葉樹が7割、広葉樹等の雑木が3割の割合
これらを自分で玉切りして、斧やクサビで割っていく

流木と言うと増水した川に流され、相当湿っているイメージだったけど
割ってみるとほとんどの木がすぐにでも薪として使える程に乾燥していた
きっと流される以前から立ち枯れたり倒れたりして、すでに乾燥していたのかも知れない

自分で薪を作るようになると、どういう訳か木材を貰える話が舞い込んでくる
近所の町内会などで伐採した、桜の丸太を何本も頂けた
河原の土手や公園、神社等の管理で枝おろしをしたものの、処理に困っていたらしい
伐採後1年半、土手に置きっぱなしで充分乾燥した桜の木から、上質な薪が大量にできた
捨てる神あれば拾う神ありとはまさしくこの事か

自宅に急遽作成した薪置き場は、自分の背の丈を超えて積みあがった
置く場所が無くなり、まだ玉切りのままの丸太も何本もある
有り余る針葉樹は薪にはせず、スウェーデントーチに

流石にこれだけあると、何人かで使っていても完全に消費が追い付かない
薪屋で購入してた事を思うと、嬉しい悲鳴だ

自分で薪を作る良さは、金額が掛らなく贅沢に使える事はもちろん
何より所有する焚火台等に合わせたサイズで作れる事
ソロキャンプが多いと必然的に焚火台のサイズもコンパクトになる
市販の薪のサイズだと斜めにしたり飛び出したりと使いづらい為、玉切りの時点で長さは30cmに揃えてある

良くない点は無料だからと言って貰い過ぎる事
あと何年、何十回キャンプに行けば薪を使いきれるのか
何事もほどほどがちょうど良いらしい