そう、あの橋を渡りきった時です。
氷川キャンプ場に向かう為に徒歩キャンパーの証とも言える重い荷物を背負い、奥多摩駅でGoogleの地図アプリと格闘しながらキャンプ場の場所を確認し一時ウロウロしながら疲れを積んでいた。
やっとの事で目的地を設定して心地よい音声案内に身を任せ、疲れた体を千鳥足のごとく歩いていた。
しばらくすると目の前に茶色の少し渋い年季が入ったような橋が見えてきた。
その橋を上から覗くと楽しそうな声が山に響き心のワクワクと共に動画を撮りたいという欲望が芽生えた。そして動画を取り始めた。
YouTuberの如く橋の名称から画面入りし、工事の看板を流しながら向かってくる人々を交わすために山側にカメラを振ったりして考えながら歩いていた。まさかあんな事が起こるなんて露知らず。
橋を渡り切り氷川キャンプ場の看板を確認しながら入口はどちらの道かとカメラを構えながら自分の目で確かめようとしていた、その時、事件は起きた。
何の変哲もない、なだらかな縁石が牙を向いたのだ。
私は倒れた。
徒歩キャンパーの証とも言える重い荷物を背負って。
両足のジーパンは破れ中から血が流れ出ている。
左手も広い範囲で擦り切れている。
しかし、そんなことよりも私は初めて買ったばかりのiPhoneが傷んでいないか、そしてこの動画の出来を心配した。
動画は見事全てを捉えており、転けた瞬間とその後の動揺した自分の姿が真に滑稽であり、後日家族にウケた事で出来は上々だと悟った。
温泉が心と体に染みる。
当初温泉が近くにあると聞いていたので夜になる前に行こうと思っていた。今は両足がずるむけて流血しており左手からも血が滲み出ている。
これは染みるんじゃないか。
少し恐怖を覚えた。
しかし躊躇している場合ではなかった。早急にテントを張り、薪を買い、テント場までの往復の坂により身体がさらに悲鳴をあげる。
ようやく準備が整い、いざ温泉に向かう。
向かう途中の山道も吊り橋を渡り坂を昇り降りしなければならず、ようやくたどり着いたその温泉は、まるで砂漠の中に急に存在するオアシスのようだった。
規定の料金を払い脱衣所で服を脱ぎ、心を整えながら、いざっとシャワーを浴びる。瞬間、心では悲鳴をあげているが顔は普通の表情で痩せ我慢をしていた。私もやはり生粋の日本人なのだ。周りに不安を与えまいと必死に堪えた。
シャンプー、リンス、ボディシャンプーという横文字の石鹸達も私を苦しめた。オアシスだと思っていた温泉の泉質までもがさらに私を苦しめたのだ。
ようやっと風呂から上がり傷口のケアをして落ち着いた。もうここに泊まりたいとさえ思ったのだ。
だが、肝心なことを忘れていた。
私はキャンプに来ている。キャンプをしに来ているのだ。そのアイデンティティをこの両足左手のずるむけのせいで曲げたくは無いと。
私は希望を思い起こし薄暗い森に消えるのだった。
皆さん怪我には気をつけましょう〜
マジで辛いぜ😭😭😭
写真がほぼない😂
エジプさん2023年4月1日
辛い温泉になったのう😞
帰りは大丈夫なのかな…
ワイも、○○しながら作業には気をつけたいと思います…(´Д` )
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aiai_camp2023年4月2日
@エジプさん 帰りも破れたジーンズのままで💦
ほんと、私も気をつけます😅
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